嵐山の風土に触れて・・・ 間人 彰
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芙蓉の花が棲む処
アウトローな生き物
金子みすゞの童謡詩
一の井と二の井
控えめな白い花
巨木を弔う
風土の背景 タコブネの漂着他四作
野鳥の楽園中州 1999.1.19
桂川左岸に沿うように位置する桂離宮の北方に極楽寺がある。その寺の東塀から道へ乗り出すように
芙蓉の枝が群れ伸びる。九頭竜が群れ交じりて顔を揺らす風情は異様な光景である。しかもその顔は
薄紅色と白色の花で彩られている。思えばこの時期好まれる植物は皆茎長くか細く脆い。コスモスや
すすきそして時期遅れの向日葵などがある。いずれ劣らぬ風貌の持ち主ではないか。取上げて観察すれば
それぞれに個性豊かで、群として観察すればさほど違和感はない。
芙蓉の花が満開した様は南海に咲くハイビスカスのように真ん中に黄色の花芯が大きく天狗の鼻みたい
に突き出ている。満開前後の区別が難しくまるごと落花するまで判断できない。酔芙蓉と呼ばれる種類は、
花の色が白から薄紅に変化する。額は強固で円筒状の台座を持ち花が枯れ切るまで支えているから、
まるごと落花するようである。路肩に散逸していても蕾と間違うほどである。
満開前後の様はひと花ひと花五枚の花びらを絡ませ実に艶である。個性集団の中に突然放り込まれた
想いのような違和感である。この木は川辺に群生するもので比較的広い庭の塀沿いに植えられている。
高さは3m位までで外塀から花が顔を覗かせる目的で植えられているようだ。全身を観賞するにはあまり
にも野生味が強く耐え難い。川辺の生き物なのである。桂川左岸をここから遡上しながら見る風景は古代
より好まれている。愛宕山を中心にして眺める景色は歩いていることを忘れさせる。
かってこの近くに郡城が設けられていた理由は、応仁期の軍事上の要衝地だけではなさそうに思えるの
だが、感傷的な思いつきだろうか。
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