目 次
序文は目次の下にあります
(一) 新衣手の森は 罧原(ふじわら)堤

(二) 嵐山城の外堀たる岩田山山頂

(三) 雲の流れに人生流転を知る ー 大河内山荘 ―

(四) わび・さびの庵 ― 大斐閣 ( 千光寺 )―

(五) 朝日に映える渡月橋

(六) 空海の辿りし道

(七) 太古との出会いは保津川のぼり

(八) 愛宕山 ― その山頂は極楽世界へ通じる地 ―

(九) 縄文人の憩いの場 ― 山上の池・(沢の池)(菖蒲谷池)―

(十) 猪の道 ― 唐櫃越



序 文


嵐山の旅は人それぞれに旅情を育むところに魅力がある。それは、平安朝の時代であったり、

平家物語の世界や古代古墳時代であったり、縄文時代あるいは太古の時代の光景を目の当たりに

することなどである。 これらの感慨が箱庭ほどの嵯峨・嵐山という風土に凝縮されかつ、ほどよく

調和されている為に、訪れるごとに異なる旅情が育まれ新たな驚きと新鮮な生活意欲を得て、

当地を後にする。この冊子は初めて訪れた人に是非視野を広くしていただく意味で書かれた旅の

入門書でもある。例えば美術館から出て町並みを通る時、誰もが美術館に入る前に見て感じた町並み

と様子が違うことを発見するだろう。美術館と同じ役割が出来れば成功です。あるいは旅を終えた後で

断片的に記憶されている事を時空によって繋いでいく案内をこの冊子は果たしてくれるでしょう。


名勝嵐山の景観は、自然というよりは歴史が育んだ風土によって成り立っている。千二百年の歴史とは

京都に遷都された後のことで、数万年前の人類の痕跡からはるか五億年の先史の形跡がそこに伺えるのである。

歴史の偶然が遷都をなさしめたけれども、古代人が北の日本海沿岸より当地に辿り着き定住したことや、

奈良・大阪方面から遡上してきたことを考える時、偶然性だけで放置できなかった。

人々が当地を訪れて一様に心動かされる理由を少しでも明らかにしたいと考えたのです。

この感動は当地に生まれ育った人々にもあるからです。

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